住職の素顔

 

<学歴・職歴など>

昭和48(1973)年東京大学農学部卒業日本経済新聞社に記者として入社。大学時代は男声合唱団(コール・アカデミー)のメンバーでした。バリトンです。主にレクイエムとかミサ曲を歌っていました。この頃から宗教界に入る準備をしていたかのようです。

日経では浦和支局を皮切りに産業部、大阪経済部に所属し企業、霞ヶ関の官庁などを取材。大特ダネは記憶にありませんが、中特ダネは結構ありました。夜討ち朝駆けが大好きで、頻繁に企業の社長宅や高級役人宅に押し掛け家の滞在時間が極めて少なかったと反省しています。 

 この間ニューヨークに1年間留学していますが、勉強そっちのけで毎晩メトロポリタン・オペラに通い、妻を「オペラ・ウィドウ」にしてしまいました。オペラ通を自認しております。

 平成2(1990)年にテレビ東京に出向。経済報道番組「ワールド・ビジネス・サテライト」の製作に携わりました。衆議院議員になった小池百合子氏はデスク時代に2年間付き合いました。野中ともよ、田口恵美子(テニスの松岡修三氏と結婚)の歴代キャスターはプロデューサーとしての付き合いです。現在の小谷真生子氏はプロデューサー時代にテレビ朝日からスカウトしました。

 テレビ時代の見聞を元に経済小説「虚飾のメディア」(ペンネーム=北岳 登)を書き、ダイアモンド社の経済小説賞・佳作を受賞しました。欲望に満ち、権謀術数が渦巻く、なかなか面白い世界です。

 平成12(2000)年6月に思うところあって、日経を早期退社。仏門に入りました。

<出身地など>

 千葉県千葉市生まれ。 中学校までは千葉市内。中学1年の時に何を思ったか、東京へ“単身留学”。中学、高校、大学時代とずっと下宿生活でした。この時代に読んだ書物の数々が今 にして心の糧となっているようです。新聞記者だった所為か引越しが多く、これまでに13回。お蔭様で「人間到るところ青山あり」の心境です。縁あって御宿 のお寺を預かることになりましたが、大阪もニューヨークも東京も故郷です。

<趣味など>

 クラシック音楽、読書、山登りが好きです。音楽では現在ブルックナーに傾倒していますが、秋から冬になると、無性にシューベルトが聴きたくなります。特にチェロ演奏の「アルぺジョーネ・ソナタ」。

 山登りは深田久弥の「日本百名山」に挑戦中ですが、残り13山。北海道の幌尻岳とか南アルプスの塩見岳などいずれも踏破するのに3,4日かかりそうで危険な山ばかりが残っています。果たして完登できるか、不安増大中。小説が大好きですが、井伏鱒二を評価しています。海外ではエミール・ゾラ、ドストエフスキー、それにJ.ジョイス

<家族の肖像>

 大黒(住職の妻のこと=大黒天が厨房に祀られたことからこう呼ぶらしい)は美大出身。油絵ですが、最近は週刊誌のカラーグラビアを切り貼りしたコラージュに没頭しています。長女は結婚して2児(いずれも女子)の母。今は横浜に住んでいます。長男も大黒と同窓の油絵ですが、抽象画が専門。結婚して八ケ岳山麓に在住。息子の妻は木版画家です。2人とも人気上昇中。山麓にギャラリー兼アトリエをオープンし創作に励んでいます。適宜山麓で展覧会などを催しています。多くの人が来訪しています。この長男夫婦に2010年第一子が誕生、2015年には第二子が誕生。四人の孫全員女の子です。